監禁容疑で逮捕、勾留されていた女性=不起訴=の「被疑者ノート」を北海道警の警察官が持ち去ったことを違法と認め、道に計25万円の損害賠償を命じた札幌地裁判決は、女性側と道警側の双方が控訴せず、18日確定した。
判決によると、2021年7月、取り調べに黙秘していた女性が弁護士との接見内容を記した被疑者ノートを、警察官が留置場の外に持ち出して修繕し、15~20分後に返した。地裁は、黙秘権や接見交通権の侵害に当たると判断。違法な取り調べもあったとする女性側の主張は退けた。
道警は「判決内容を検討したが、合理的な控訴の理由を見いだせなかった」とコメントした。被疑者ノートの取り扱いについては、他県警でも問題が起きていたことから、適切な対応をするよう22年度に周知し、徹底させているという。
女性の代理人弁護士は「取り調べの違法性が否定されたことは納得できないが、女性の意向を尊重した」とした上で、「捜査機関には根本的な意識改革が求められる」と主張。取り調べの可視化を改めて求めた。
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