兵庫県の斎藤元彦知事が再選した知事選を巡り、神戸地検と県警は16日、斎藤知事側がPR会社に選挙運動の報酬として約70万円を支払った疑いがあるとする、公職選挙法違反(買収)容疑の告発状を受理した。捜査関係者への取材でわかった。

 斎藤知事はこれまで、選挙運動への対価ではないと主張している。地検と県警が今後、違法性がなかったかなどについて慎重に捜査する。

 この問題は、知事選後の11月20日、PR会社の社長が投稿サイト「note」に、斎藤陣営の「広報全般」を担っていたと投稿したことがきっかけ。

 公選法は、候補者が当選を得るなどの目的で選挙運動者に金銭を渡したり、受け取ったりする行為を原則禁じており、違法性を指摘する声が上がった。投稿はすでに、一部が削除されたり、書き換えられたりしている。

 告発状を送付した元東京地検検事の郷原信郎弁護士と神戸学院大の上脇博之教授は、最初の投稿内容をもとに、斎藤知事側が11月にPR会社へ支払った71万5千円は、知事選で社長に委託した「戦略的広報業務」の選挙運動に対する報酬だった疑いがあると主張している。

 また社長側についても、選挙運動の報酬として金銭を受け取った疑いがあるとして、同法違反(被買収)の疑いがあると告発状で指摘した。

 一方、斎藤知事はこれまでの会見などで、71万5千円は公選法で認められたポスター制作など5項目への対価だったとし、選挙運動への対価ではないと主張している。

 SNSの運用や演説の撮影などに社長が関わった点についても「(社長が)ボランティアで参加した」としている。

 また斎藤知事の代理人弁護士は最初の投稿について、11月27日の会見で「事実である部分と事実でない部分がある。盛っている部分もある」としていた。

 社長側はこれまで取材に応じていない。

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