消防庁の火災統計によると、今年1-6月の全国の火災原因のうち「電気機器」「電灯電話などの配線」「配線器具」の3項目を合わせると、2732件。全体に占める割合は14%となり、最も多い。火災原因の上位10項目の中で、この3項目と「ストーブ」だけが前年よりも増えている。

また、独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE)に寄せられた配線器具の事故情報では、多くが火災発生につながっており、その原因は「使い方や設置状況」が4割を占め、最も多かった。事故増加の背景には、テレワークの普及で配線器具の使用が増えていることがあるとみられている。


NITEによると、特に問題なのは配線器具周りのほこりだ。電源プラグがコンセントにしっかりと差し込まれていないと、隙間にほこりがたまってしまう。ほこりは空気中の水分を吸い込みやすく、プラグの2本の刃の間で微電流が流れて、火花放電することがある。すると、樹脂部分が次第に炭化して電気の「通り道」ができ、両刃間でショートし、発火するという。


ほこりが付着したコンセントとプラグ、NITE提供


プラグの刃と刃の間が炭化(左)、ショートして発火(右)、NITE提供

電気製品の電源スイッチを切ったとしても、コンセントまでは電気が通じているので、配線器具の周辺で出火する可能性がある。NITEの担当者は「電源プラグはコンセントにきちんと差し込み、定期的に掃除してほこりを取り除いてほしい。配線器具のそばには水気のあるものは置かないように」と注意を呼び掛ける。

このほかにも、電源プラグが変形してコンセントと接触不良を起こしたり、電源コードが机や椅子の脚で踏みつけられて傷んだり、テーブルタップで最大消費電力を超えるような使い方をしたりすると、発火の原因になるという。

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