記者会見で自らの役員報酬減額を発表する犬飼新・JR貨物社長＝11日、東京都渋谷区のJR貨物本社で
JR貨物の犬飼新（しん）・社長は11日の記者会見で、機関車や貨車の車輪に車軸をはめ込む輪軸組み立てを巡り、データ不正が発覚した問題の責任を取って、自身と真貝康一会長の役員報酬を12月から来年2月まで3カ月間、30％減額（自主返納）すると発表した。 輪軸関連の不正は9月にJR貨物で判明した後、JR東日本や東京都交通局、東京メトロなど主要な鉄道会社で相次ぎ明らかになり、安全に対する信頼を揺るがせた。犬飼社長は「信頼回復にしっかり努めていきます」と語った。 輪軸は、車両の安全走行を支える大切な部品の一つ。JR貨物では、輪軸を組み立てる際、基準値を超える圧力をかけていたにもかかわらず、基準値内に収めたようにデータを改ざんしていた。 報酬減額は、他に担当取締役2人が20％、担当執行役員1人が10％、それぞれ3カ月間行うという。 犬飼社長によると、不正のあった貨車626両のうち約7割の復旧を済ませたとし、復旧作業に伴い貨物列車の車両数を規定の数より減らして運行する「編成減車」を既に終了し、通常の車両数に戻した、と明らかにした。 この問題では、JR東日本が担当の副社長をけん責処分としている。（嶋田昭浩）記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。
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