搭乗拒否のいきさつは
エアージャパンが「搭乗拒否」 再入国許可書、ビザもあるのに…難民認定の家族3人 30万円も払い戻さず
◆謝罪なし、説明なし、再発防止策もなし
11月21日と22日、家族の1人の携帯電話にエアージャパンの顧客窓口から着信があった。23日、窓口に電話するとこう言われた。「払い戻しをさせていただくことになりました」 25日、改めて窓口に電話し、急な方針転換の理由や経緯を尋ねた。だが「お客さまの状況などを確認し、社内で何度か協議した」といった程度で、詳しい説明はなかった。搭乗拒否への謝罪はなく、具体的な再発防止策は示されなかった。 「状況とは何か、はっきり分からない。問題が報道され、早く幕引きしたいように感じる」。家族の1人は釈然とせず憤る。「エアージャパンが重く受け止めて謝り、二度と起こさないでほしいというのが一番の思いだ。だが、責任を認めずお金だけ返すなら、私たちが返金を無理強いしたかのようになる」◆再入国許可証があったのに
この家族は東京都内の50代の夫と40代の妻、10代の長男。夫妻は難民認定され、日本生まれの長男を含め永住者の在留資格を持つ。
タイ・バンコクの日本大使公邸で、記念撮影するエアージャパンの峯口秀喜社長（右から4人目）ら＝2023年8月、藤川大樹撮影
家族は8月11～17日往復の成田―バンコク便3人分を約30万円で購入。在日タイ大使館に問い合わせ、パスポートがなくても再入国許可書（有効期間6カ月以上）と観光ビザがあれば入国できると確認していた。 再入国許可書やビザを準備し、8月11日、成田空港のエアージャパンのカウンターに赴いたが「タイ入管に確認したところ、入国を認めないと言われた」と告げられ、搭乗を断られた。◆「工夫できることはないか考える」
妻と長男は同16日出発のタイ航空の航空券を購入。問題なく、タイに入国できた。家族はエアージャパンと9月までに数回電話で話し、搭乗拒否は不当だと訴えたが、同社は当初の説明を繰り返し、返金に応じないと表明していた。 「こちら特報部」は10月12日、問題を報じた。今回の方針転換を受け、11月26日、質問を同社広報にメールしたところ、10日後の今月6日、返答があった。...残り 569/1560 文字
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