香川県の想定飛行ルート

 香川県が「空飛ぶクルマ」の導入に向けて計画を進めている。次世代の交通システムで2025年大阪・関西万博の目玉として注目が集まっており、県は実用化へのロードマップを作成。具体的な飛行ルートを提示し、参入企業を募っている。観光地への移動などに加え、災害時の物資運搬や離島における新たな移動手段としての役割が期待される。(共同=浦郷遼太郎)

 香川版ロードマップは国が官民一体となって空飛ぶクルマの実用化について検討を始めたのを受け、23年度に取りまとめられた。20年代後半に高松港周辺の「サンポート高松」や高松空港を起点に観光客を中心とした輸送が実現、30年代前半にビジネスや日常生活での利用が拡大し、30年代後半には県内各地に離着陸の拠点が整備され新しい交通手段として定着すると見通している。

 今後の事業化には民間企業の参入が欠かせない。県は2月、高松空港などと観光地や離島を結ぶ10の想定ルートを公表。運賃はいずれも1人当たり片道で、サンポート高松―高松空港が2万1千円、サンポート高松―小豆島が2万5千円、小豆島―直島が4万4千円と試算した。

 具体的な計画を示すことで、需要喚起やビジネス展開を促す狙いがあり、事業展開を目指す法人には最大500万円の補助金を交付する。県政策課の藤田陽主任は「生活やビジネスが画期的に変わる可能性がある。実装が進むように取り組みたい」と話した。

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