気象庁は2日、今年の秋(9〜11月)の日本の平均気温が平年より1.97度高かったと発表した。1898年の統計開始以降で最高だった昨年(プラス1.39度)を大きく上回り、3年連続で最も暑い秋となった。

過去最高だった夏から暑さが続いた一方、最新の3カ月予報では、冬は全国的にほぼ平年並みの寒さになる見通し。寒暖差が大きく、四季を感じづらい傾向が続いている。

気象庁は秋の高温は「異常気象」だとし、担当者は「地球温暖化が進行すれば、今回のような高温になる可能性は上がる。長期的な予報も活用して生活してほしい」としている。

気象庁によると、地球温暖化の影響で気温がベースアップしていることに加え、9〜10月を中心に偏西風が平年より北寄りを流れ、全国的に暖かい空気に覆われやすかったことなどが影響した。気象台など全国約150の観測地点のうち、120で秋の平均気温が歴代1位になった。

3カ月の降水量は、9月に能登半島を襲った豪雨で被害を受けた石川県輪島市で平年の2倍以上の1277.5ミリで秋としては過去最多となるなど、低気圧や前線の影響により北陸でかなり多かった。台風の接近が多く、湿った空気の影響を受けやすかった沖縄・奄美でもかなり多かった。

日本近海の平均海面水温の速報値も平年より1.8度高く、過去最高だった昨年(プラス1.2度)を大きく上回った。大気の暖かさなどが原因とみられ、昨年の夏から6季連続で過去最高となっている。

海面水温が高いと水蒸気の供給が多くなり、大雨になりやすいとされる。一方で雨量は地形や大気の流れにも左右されるため、気象庁は能登半島豪雨などについて「海水温が影響した可能性はあるが、どの程度かは分からない」としている。〔共同〕

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