国の援護区域外で長崎原爆に遭った「被爆体験者」に、被爆者と同じ疾病を対象とした新たな医療費助成制度が1日、始まる。事業委託を受ける長崎県と長崎市が、新たな受給者証の申請受け付けと給付を担う。早ければ12月下旬に受給者証が交付される見込み。来年3月末までに申請すれば、制度開始日にさかのぼって助成を受けられる。

 岸田文雄前首相が今年9月、被爆者と認定せず同等の助成をすると発表。当事者からは新制度の判明後も、被爆者認定を求める声が上がっている。鈴木史朗市長は11月の記者会見で「助成としては一歩前進した」と評価する一方、被爆者認定の対象拡大に向け国に要望する意向を示した。

 従来は助成の要件としていた精神科の受診を撤廃。精神疾患と合併症、7種のがんに限定していた助成対象疾患を、遺伝性や先天性などを除く全ての疾病に広げた。ただ、被爆者に支払われる健康管理手当など各種手当は支給されない。

 新制度はこれまでと同様、体験者への原爆放射線の影響を認めず、批判する当事者や支援者も多い。

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