3日の憲法記念日を前に、最高裁の戸倉三郎長官が会見を開いた。裁判員制度の開始から15年を迎えるにあたり「おおむね安定的かつ順調に運営されている」とする一方、公判前整理手続きの長期化などが解消されていない点を挙げ、「問題克服の努力が引き続き求められる」と述べた。
離婚後も父母双方が親権を持つことができる「共同親権」の法改正をめぐっては、共同親権にするかの判断に関わる家裁の態勢が不十分だとの懸念が出ている。戸倉長官は「判断枠組みを明確にすることが現場の裁判官にとって極めて重要。家裁が的確に対応できる態勢をつくらなければならない」とした。
訴訟が相次ぐ性的少数者の権利については、「裁判官が広い視野で対立する主張に耳を傾け、適切な判断を示す姿勢が求められる」と話した。
また、SNSでの表現行為をめぐり仙台高裁判事が訴追された弾劾(だんがい)裁判で4月、法曹資格を失わせる罷免(ひめん)判決が出たことに対しては「重く受け止めている」としつつも、長官の立場での所感は「差し控えたい」とした。(遠藤隆史)
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