木原稔防衛相は2日記者会見し、海上自衛隊のSH60K哨戒ヘリコプター墜落事故で見合わせていた同型機の訓練飛行を3日から再開すると明らかにした。フライトレコーダー（飛行記録装置）の解析で、事故前の飛行状況と機体に異常を示すデータが確認されなかったためとしている。
木原氏は2機の飛行記録装置に同じ時刻、同じ場所で「急激かつ大きな衝撃の発生が記録されており、衝突により墜落したと判明した」と説明。衝突の恐れがない1機で昼夜を問わず再開するとした。
海自によると、2機の飛行記録装置の一次的な解析の結果、針路、速度、高度やエンジンの状態から、2機の機体はいずれも故障がなかったと確認。加速度や高度が通常の飛行とは異なり大きく変化していたことから、衝突により墜落したと判断した。
事故は4月20日深夜に伊豆諸島の鳥島東方海域で訓練中に発生し、1人が死亡した。海自は同型の哨戒ヘリや救難ヘリ計83機について、任務を除く訓練飛行を見合わせていた。
依然7人が行方不明で、機体の主要部分は水深約5500メートルの海底に沈んでいる可能性が高い。海自の海洋観測艦「しょうなん」が4月27日から海底の状況を調査。木原氏は会見で「収集したデータの解析を進めている」と話した。
木原氏は訓練再開について「海の守りは一瞬の隙も許されず、搭乗員と部隊の能力を維持するため、非常に大事なことだ」と強調した。〔共同〕
鄭重声明：本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。
