鉄道車両の車輪に車軸を取り付ける作業をめぐっては、国が全国156の鉄道事業者に緊急の調査を指示した結果、91の事業者の車両で社内基準を外れた圧力で作業を行うなどの不適切な事案が確認されたほか、50の事業者の車両で圧力の数値を基準値内に改ざんする不正が確認されました。

これを受け、国土交通省は先月、専門家や事業者などでつくる検証会議を立ち上げ、21日は専門家らが、不適切な事案が確認されたと国から指摘を受けた鉄道会社の車両基地を訪れ、作業現場を視察しました。

専門家らは車軸の直径の計測、車輪の穴部分を研磨して油を塗る作業、機械での車軸の取り付け、モニターの波形を見て異物混入などがないかのチェックといった取り付けの一連の作業を確認しました。

続いて開かれた会議では、取り付けの圧力は基準値内におさめるのが前提だとしたうえで、基準を外れてしまった場合にどのような対応をすべきか今後、明示するための議論を行っていました。

会議の座長を務める東京大学生産技術研究所の須田義大教授は「作業手順を最初から最後まで初めて見た。マニュアルどおりにはいかない経験の積み重ねの部分もあり、そこを含めて検討を進めていきたい」と話しました。

国土交通省は、年内に対策をとりまとめ、公表する予定です。

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