東京都内の医療機関「プライベートケアクリニック東京」が15日、院内に精子バンクを設けることが2日分かった。担当者で不妊カウンセラーの伊藤ひろみさんは第三者の精子提供を受けて2人を出産した当事者。「親が堂々と子どもに出生の事実を告知できる社会にしたい」。子どもに身元を開示できるドナー(提供者)のみを募り、年内の提供開始を目指す。
国内の精子提供は匿名で行われてきたのが主流で、ドナーを非匿名に限って一般募集するのは初めてという。
国内では1948年に始まった非配偶者間人工授精(AID)で、これまで1万人以上が生まれたとされる。現在は16の医療機関が実施施設として日本産科婦人科学会(日産婦)に登録。ただ、近年は子どもが遺伝上の親を知る権利を認める世界的な動きが進み、精子提供をためらう人が増え、ドナー減少で治療を休止している施設が多い。
伊藤さんは、交流サイト(SNS)でリスクの高い個人間取引が増えていると危惧。「安全性はもちろん、居住地にかかわらず希望者が利用できるよう、オンラインでも対応していく」と話す。
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