高校生にカフェを経営してもらうプロジェクトについて説明する早稲田大2年の小島慶久さん=3日、東京都新宿区

 多様な背景を持つ学生に門戸を開くはずの大学の総合型選抜(旧AO入試)なのに、お金がないと試験で求められる「経験」が得られなくなっているのでは―。そんな危機感を抱いた学習支援団体「BORDER FREE」(東京)が、高校生にカフェを経営してもらい、無償で社会経験を積ませるプロジェクトを始めた。  面接などにより、画一的な筆記試験では測れない多様な資質を持つ学生を確保できるとされる総合型選抜。多くの大学で広がりつつあるが、定番の習い事や留学は費用がかかる。  「教育格差が進む一方だ」と懸念した団体メンバーが今春、高校生にカフェの運営を任せるプロジェクトを提案した。中心となった早稲田大2年の小島慶久さん(20)らが、約1カ月かけて協力してくれる店舗を探し、東京都新宿区のイタリア料理店が10~12月の日曜日に店舗を無償で貸し出してくれることになった。  プロジェクトには高校生10人が応募。2チームに分かれ、売り上げを競う。各チームが飲み物や料理を考案、価格設定や収益予測も行い、売り上げは団体に寄付する。

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