自然災害や大規模交通事故などの現場に出動する東京都直轄の災害医療派遣チーム「東京DMAT」が16日、踏切内での電車と自動車の衝突事故を想定した医療救護訓練を行った。JR東日本の協力を得て本物の電車を使用し、車内で治療の優先度を決めるトリアージなどを行った。
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品川区内の東京総合車両センターで行われ、医師や看護師のほか、消防やJR社員など計117人が参加した。
訓練では、衝突でつぶれた乗用車からの救助や電車内での乗客トリアージ、救命処置や搬送の手順を確かめた。東京DMAT運営協議会の会長を務める杏林大医学部付属病院の医師・山口芳裕さんは「今後は首都直下地震などで東京自身が被災県となることも想定し、全国から集まる医療従事者とどう連携するか、技術や知識を磨いていく必要がある」と話した。
東京DMATは医師と看護師、業務調整員からなる医療チームで、国に先駆けて2004年8月に発足し、今年度で20周年を迎えた。現在は27の医療機関を指定病院として約1千人の隊員を確保し、24時間365日出動できる態勢をとっている。
都保健医療局によると、出動要請は年々増加し、23年度は410件。都内で発生した乗用車同士の事故や人と列車の接触事故、大規模火災などが多い。今年は能登半島地震の被災地でも活動した。
この日は、貢献する関係者らに小池百合子知事からの感謝状が贈られた。小池知事は「東京DMATは東京が誇る最高の医療チーム。都民の命と健康を守るため、都は医療提供体制を着実に強化していく」とするビデオメッセージを送った。(太田原奈都乃)
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