人気お笑いコンビ「アンガールズ」の田中卓志さんが、前身校から数えて今年で創立150周年となる広島大学の記念事業の一環で2日、トークショーに参加した。会場となった東広島キャンパスのサタケメモリアルホールは笑いに包まれた。

 田中さんは広島大工学部で建築学を専攻。1999年の卒業時には企業の内定も受けていたが、好きだったお笑いの道を志して上京し、2002年にアンガールズとしてデビュー。16年から広島大のアンバサダーも務めている。

 越智光夫学長とのトークの中で田中さんは、「僕は建築もお笑いも同じぐらいの熱量で好きだったけど、最終的にはちょっとだけお笑いの方の熱量が高くなった」と当時を振り返り、「広島大学を出てそんなことやっているのか」と言われるのが悔しくて、地元には帰らず、貧乏な下積み生活にも耐えたと明かした。

 「どんなにきつくても、これだったら乗り越えられるというぐらいの熱量のある仕事に就いておけば、どんな形でも成功すると思う」「自分の中で今一番やりたいことを一生やれるか、しっかり考えた方がいい」

 そんな言葉を学生たちに贈りながら、「お笑い界に広大の後輩がいてくれたらうれしい。でも、基本、おすすめしないけど」と笑いを誘った。

 田中さんの初のエッセー集「ちょっと不運なほうが生活は楽しい」(新潮社)が第14回広島本大賞に選ばれたことも話題にのぼり、越智学長は「これはお母さんに捧げる本ですね」と一部内容を披露。併せて、島耕作シリーズで知られる漫画家・弘兼憲史さんが広島大学の歴史を描いた「ヒロ子さんと巡る広島大学」(広島大学出版会)も紹介した。(編集委員・副島英樹)

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