巳の刻 / 巳の方角

「巳」は「子」から始まる十二支の6番目。もともと干支は年、月、日、時間、方位などを示すためにも使われていたもので、「巳の刻」は午前10時を中心とする前後2時間で、現代でいえばビジネス・アワーの始まりの時間帯。

巳の方角は南南東。江戸時代、深川あたりの芸者衆は「辰巳芸者」と呼ばれた。これは、江戸城からみて深川が辰巳(南東)の方角にあったから。


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ヘビと金運

クネクネとしたヘビを気味悪がる人も多いが、一方で “金運アップの象徴” としてヘビが脱皮した抜け殻やヘビのチャームを財布に入れたり、ヘビをかたどった指輪などのアクセサリーを身につける人もいる。ヘビ皮の財布も金運アイテムとして人気だ。

ヘビが金運と結びついているのは、インドでは白蛇が金運をつかさどる弁財天の化身とされといるため。さらに、「巳」と「実」が同じ「み」の読みを持つことから、「実(巳)入りする=収入がある」掛け言葉にもなっている。

金運を願う人は12日に一度めぐってくる「巳の日」を選んで神社にお参りするといいらしい。巳の日の中でも特に金運に良いとされるのが60日に一度の「己巳(つちのとみ)の日」で、各地の弁天様は多くの参拝客でにぎわう。宝くじ売り場などには「本日巳の日」と張り紙を出して販売増を狙うところもある。

脱皮を繰り返すヘビは、生命力や再生のシンボルとも考えられ、金運のみならず運気を上げる縁起物としては定着している。

ヘビにまつわることわざや慣用句

【竜頭蛇尾/りゅうとうだび】
頭は竜なのに、尻尾はヘビ。「なんだかスゴイのが来たなと身構えたら、そうでもなかった」「初めは勢いがよいが、終わりは振るわない」「期待外れの結果に終わる」などの意味で使う。

【蛇に睨まれた蛙/へびににらまれたかえる】
怖いもの、強いものの前で身がすくんで動けなくなってしまうこと。

【蛇に噛まれて朽縄におじる/へびにかまれてくちなわにおじる】
一度、ヘビに噛まれると、その辺に落ちているロープまでヘビに見えてビビってしまう。一度の失敗で過剰に用心深くなること。

【藪をつついて蛇を出す/やぶをつついてへびをだす】
草むらをつついたらヘビが出てきて噛まれる。やらなくてもいいことをして、思わぬ災難に見舞われること。現在は「ヤブヘビだった!」と短縮形で言うことが多い。

【蛇足/だそく】
古代中国の楚(そ)の国で、誰が早くヘビの絵を描けるか競争をした時、最初に描き上げた人が、「余裕だよ」と足まで描いてしまったために負けたという故事による。無用の長物。


蛇には足はありません!蛇足です(PIXTA)

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