国立病院機構大牟田病院(福岡県大牟田市)で、看護師ら男性職員5人が男女11人の入院患者に虐待をした疑いがあることが1日、わかった。被害者は、いずれも徐々に筋力が衰えていく難病・筋ジストロフィーや重症心身障害の患者で、うち男女6人の胸や陰部を触る性的虐待が、同院の通報を受けた自治体の調査で認定されたという。

 同院は、難病への専門的医療にも対応する地域の中核病院で約400床ある。同院によると、被害は昨年12月、入院患者から「男性介護職員から下半身を触られた」という趣旨の相談が病院に寄せられて発覚。その後、病院による聞き取り調査で、男性職員5人による少なくとも男女11人の入院患者への虐待が判明した。

 病院は障害者虐待防止法に基づき、各患者の障害福祉サービスを認定した各自治体に、虐待の疑いがあることを通報。自治体は男性2人、女性4人への性的虐待を認定し、残る5人の調査も進んでいる。

 病院も外部の専門家らで構成する調査委員会を設置した。2日に記者会見し、詳細を説明する。病院の担当職員は取材に「職員の倫理観が欠如していた」と説明。川崎雅之院長は「多大なる不安やご心配をおかけしましたことを深くおわび申し上げます」とコメントを出した。(岩田誠司)

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