Q.そもそもマイナ保険証とは?
A.健康保険証の登録をしたマイナンバーカードのことです。
医療機関の顔認証付きカードリーダーなどで、健康保険証としての利用登録をすれば、これまでの健康保険証の代わりになります。
政府は、12月2日に今の健康保険証の新規発行を廃止して、この「マイナ保険証」を基本とする仕組みへの移行を進めています。
国があげるメリットが、「医療情報の共有」です。
本人の同意があれば、特定健診の情報や、過去に処方された薬などを他の医療機関と共有することができます。
初めてかかる医療機関でも薬の飲み合わせなどを正しく判断でき、的確でスムーズな診療が受けられるほか、転職などをしても新しい健康保険証の発行を待たずに使い続けられることや、高額療養費の限度額を超える支払いが、手続きなしに免除されるとしています。
Q.今の健康保険証は使えなくなる?
A.いいえ。
12月2日以降も1年間は、これまでの保険証を使うことができます。
ただし、自営業者などが入る「国民健康保険」や、75歳以上が入る「後期高齢者医療制度」の保険証には、それぞれ有効期限(多くが来年7月から8月)があります。
保険証に記された有効期限を確認して下さい。
Q.今、保険組合から届いている書類とは何か?
A.これは、「資格情報のお知らせ」というものです。
対象となるのは、会社員や公務員など、およそ7700万人で、それぞれが所属する保険組合などから各家庭に届けられています。
この「資格情報」ですが、マイナ保険証を持っている人が、自分が入る健康保険組合や、自分の保険者番号などを確認するためのものです。
「マイナ保険証」には、これまでの保険証のように、券面に保険者番号などが記されておらず、スマートフォンなどを使ってオンライン上の「マイナポータル」にアクセスしなければ、自分の保険資格の情報を確認することができません。
アクセスできない場合でも、誰でも簡単に情報を確認できるように、この「資格情報のお知らせ」が交付されることになりました。
Q.いつ届くのか?
A.ことし9月以降、各保険組合から、会社の健康保険などの「被用者保険」に加入するすべての被保険者と扶養する家族に、交付されています。
マイナ保険証を持っているかどうかにかかわらず、全員に交付されています。
また、「国民健康保険」や「後期高齢者医療制度」では、マイナ保険証をもっている加入者に12月2日以降、交付される方針です。
Q.マイナ保険証の登録をしていないのに届いたのはなぜ?
A.厚生労働省によると、この書類を配付したのは、問題となったマイナ保険証のひも付けの誤りがあったからだといいます。
厚生労働省は、医療保険のデータベースに登録されたすべての加入者の点検作業が完了したとしていて、「資格情報のお知らせ」に記載されているマイナンバーの下4桁を確認し、自分のマイナンバーが正しく登録されているか、改めて確認してほしいとしています。
Q.これは「資格確認書」と同じですか?
A.違います。
全くの別物です。
「資格確認書」は、マイナンバーカードを持っていない人やマイナ保険証の利用登録をしていない人などに、健康保険組合や国民健康保険組合などの保険者から、ことし12月2日以降、順次、自動的に交付されます。
「資格確認書」は、これまでの保険証とおなじように使うことができます。
ただ、SNS上では、この資格情報のおしらせを、「資格確認書」と勘違いしたとつぶやいている人も少なくないようです。
国や全国健康保険協会などのコールセンターには、この書類は何か?という問合せが相次いでいるということです。
厚生労働省の担当者は、「コールセンターには、『保険証が使えなくなるのか』という質問の次くらいに『この書類はなに』という問い合わせがきていて、浸透が十分でないことは、認識している。『資格情報のお知らせ』をはじめ、マイナ保険証が使えない場合の対応策の周知に力を入れていく」としています。
Q.資格情報は持ち歩く?使う場面は?
A.国は、マイナ保険証とともに持ち歩くと不測の事態にも対応出来るとしています。
使う場面は主に次の3つです。
1.医療機関でマイナ保険証を出したものの、システムのエラーなどで利用できない場合。
2.マイナ保険証に対応していない医療機関を受診する場合。
それに、
3.傷病手当や出産手当の申請などで、自分の保険資格を確認する必要があるが、マイナポータルにアクセスできない場合。
なお、「資格情報のお知らせ」だけでは保険診療は受けられません。
マイナ保険証と一緒に提示する必要があります。
Q.マイナ保険証に対応していない病院に来たのに「資格情報のおしらせ」を持っていない。どうすれば?
A.マイナ保険証を提示するとともに、スマートフォンなどでマイナポータルにアクセスし、暗証番号を入力して、自分の保険資格の情報が載った画面を見せれば保険診療を受けられます。
また、医療機関から「被保険者資格申立書」をもらって、名前や、加入している健康保険などを記入して提出すれば受診できます。
自分の健康保険組合や負担割合などをできるだけ把握しておく必要があります。
専門家は
中央大学 宮下紘教授
「医療のデジタル化では、高齢者などデジタルに弱い立場に寄り添い推進していくことが大切で、法律改正をしてしまったが、既存の保険証とマイナ保険証の併用期間を長くすることが、混乱がなく一番望ましかった。政府には、この1年間の動向を見極めながら、わかりやすく、安定的に、デジタル化を推進していく方向を見つけていってほしい」
情報はニュースポストまで
私たちは、このマイナ保険証について引き続き取材します。
ぜひみなさんからの情報をこちらまでお寄せください。
ニュースポスト
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