アフリカ・コンゴ(旧ザイール)の鉱山採掘事業への投資を巡る金融商品取引法違反(無登録営業)事件で、警視庁生活経済課に逮捕された「リートジャパンホールディングス」(東京都港区)社長、李基道(もとみち)容疑者(39)が、他にも実態不明な投資話を顧客に持ちかけ、集めた金を別案件の配当に回すなどしていたことが捜査関係者への取材で分かった。同課は、被害の表面化を防ぐ狙いがあったとみている。

◆「世界各地に支店がある」など吹聴か

 同課によると、李容疑者(39)らは「自社で鉱山採掘事業を手がけており、関連会社の未公開株を買えば月15%の高配当が出る」と勧誘。だが配当は遅れて一度支払われただけで、採掘事業は架空だったとみられる。

容疑者らが出資者に示した架空とみられる投資案件のチラシ

 李容疑者は他にも「3Dモニターを活用した広告」「AIを使った競馬予想」など実態不明な複数の投資案件に出資を募っていた。また、信用を得るために「世界各地に支店がある」「自宅は米国。隣は有名なスポーツ選手の家」などと吹聴していたという。  事件を巡っては、同課が6日、李容疑者や共謀した会社員の黒田茜(31)、代理店経営の伏野清人(60)ら6容疑者を逮捕。逮捕容疑では2020年10~11月、国の登録を受けずに、兵庫県の男性(60)ら4人にリート社の関連会社の未公開株購入を勧誘し、計2650万円を集めたとされる。20年7月からの約1年間で、213人から計約2億7600万円を集めたとみられる。(小倉貞俊) 

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