JR東日本は6日、2025年春から南武線(6両編成)の川崎—立川、常磐線各駅停車(10両編成)の綾瀬—取手で、26年春には横浜・根岸線(8両編成)の八王子—大船でワンマン運転を始めると発表した。

◆山手線や京浜東北線、中央・総武線でも導入へ

記者会見するJR東日本の喜勢陽一社長=6日、東京都渋谷区で

 さらに30年ごろまでに山手線や京浜東北・根岸線、中央・総武線各駅停車、埼京・川越線でも実施する予定としており、既に八高線や相模線などで進めているワンマン運転を都心部へ大幅に拡大させる。  人手不足などへの対応が目的とされ、車掌が担っていた業務を運転士が兼務する。運転席に乗客の乗り降りを確認するモニターを設置するほか、異常時に輸送指令室と車内の乗客が通話できる機能などを導入。一方で駅のホームドア整備も進め、安全を確保していくという。

◆車掌1100人減は「創造的な仕事にシフト」

 喜勢陽一社長は記者会見で「現在車掌は4500人いる。30年頃に1100人ぐらいの要員減が想定されるが、リストラするわけではなく『人ならではの創造的な仕事』へシフトさせていく」と説明した。  ワンマン化を巡っては、JR東日本輸送サービス労組が、ホームドア設置駅でも車掌が非常ブレーキをかけて列車を止め、負傷事故を防いだ事例が起きているとして危険を訴えている。喜勢社長は「システムや機械に置き換えることでさらに安全性が高まるよう、事前に技術開発を進めており、具体的に社員へ説明する中で不安は解消していけると考えている」と語った。(嶋田昭浩)


鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。