哲学者ニーチェなどの研究で知られ、「新しい歴史教科書をつくる会」の初代会長を務めるなど保守論客としても活動したドイツ文学者の西尾幹二(にしお・かんじ)さんが1日、老衰のため死去した。89歳。東京都出身。葬儀は近親者で行う。後日、お別れの会を開く予定。 東京大大学院修了後、西ドイツに留学。帰国後は、ニーチェやショーペンハウアーの翻訳や研究に取り組みながら、欧州体験を起点に西欧と日本を比較した文明批評を展開。文芸評論や時事評論も手がけ、保守派の論客として歴史問題や教育について活発に発言した。 従軍慰安婦の記述を巡り、従来の歴史教科書を「自虐的」だとする批判から1997年に設立された「新しい歴史教科書をつくる会」では初代会長に就任。同会の委嘱を受けて執筆した「国民の歴史」はベストセラーになった。東日本大震災後は脱原発の論陣を張った。電気通信大名誉教授。 「ヨーロッパの個人主義」「ニーチェ」「全体主義の呪い」「日本と西欧の五〇〇年史」など著書多数。
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