国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)が日本の女性政策に対する最終見解で、選択的夫婦別姓の導入などを日本政府に勧告したことを受け、市民団体の代表らが1日、東京都内で会見し、「政府にすみやかに対応してもらいたい」と訴えた。

国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)の勧告の意義と今後の課題を語る市民団体の関係者ら=1日、東京・霞が関の厚生労働省で(太田理英子撮影)

 会見したのは、選択的夫婦別姓を求める「あすには」、性と生殖に関する健康と権利の推進に取り組む「ジョイセフ」など4団体。10月17日に委員会が日本の対面審査を8年ぶりに実施したのに合わせ、リポートを提出したり、委員に当事者の意見を伝えたりした。

◆国連委勧告「政府の無作為を明確に指摘」と市民団体

 10月29日に公表された最終見解は、日本政府に対し、選択的夫婦別姓の導入を求める4度目の勧告をした上で、勧告を受け取り組んだ措置を2年以内に文書で報告するよう求めた。「日本は法改正のために何の措置もとってこなかった」との記述もあり、あすには代表理事の井田奈穂さんは「最大限厳しい表現で、政府の不作為を明確に指摘した」と評価。来年の通常国会で法案提出が実現できるよう勉強会など活動を加速化させる。  同性婚を認めることなど性的少数者の人権の勧告もあり、トランスジェンダーの情報発信に取り組む「Tネット」の高井ゆと里さんは「日本は条約を締結しており、誠実に向き合う責任がある」と訴えた。  委員会は女性差別撤廃条約に基づいて設置され、締約国の取り組みを監視。不十分と判断した項目について、最終見解で改善点を勧告する。(砂本紅年) 

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。