熊野商工会議所(三重県熊野市)は30日、会計や経理を担当していた30代男性職員が、総額6470万円余りを着服していたと発表した。4月22日付で懲戒解雇し、近く業務上横領容疑で刑事告訴する方針。

 商議所によると、職員は会費や事業収入を扱う一般会計など五つの会計で十数冊の通帳を管理。2021年5月~24年4月、約110回にわたって帳票や通帳を偽造するなどして、一般会計から他の会計に資金を移す際に金を着服していたという。

 4月18日に上司が資料作成のため通帳の提出を求めた。不明瞭な印字や日付の相違などが見つかり、問いただしたところ着服を認めた。1回あたりの額は1千万円~数万円で、スポーツ関係のギャンブルなど遊興費に充てていたという。

 熊野商議所は、熊野市内の600余りの事業者が会員。榎本義秀会頭(66)は「通帳の数字が正しいと思っていたが、巧妙に偽造されていた。今後の監査では金融機関の残高証明の発行を受け、通帳や公印の管理も徹底したい」と話した。

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