通販サイトで購入した商品の返金を装い、電子マネーやネットバンキングの預金をだまし取られる詐欺被害が、今年に入って頻発している。警視庁は「新手の還付金詐欺のようなもの。電子マネーでの返金は詐欺を疑ってほしい」と注意を呼びかける。

◆「返金に必要な認証コード」だと言われ

詐欺グループと女性とのLINEのやりとり。数字は送金額だった(警視庁が一部画像処理)

 今年5月、東京都内の40代女性は、通販サイトで「アイドルとのハイタッチ券」を1万5000円で購入したが、商品が届かなかった。すると、サイト担当者を装う人物から「欠品している」とメールがあり、返金はPayPay(ペイペイ)でのみ対応していると説明され、LINE(ライン)でのやりとりに誘導された。  LINEでペイペイのQRコードなどが送られてきた後、電話で男が操作方法を指示。「返金に必要な認証コード」として指定された番号をアプリ画面に打ち込んだ。  しかし、実はこれは相手に送金する金額の入力画面で、認証コードとして入力した「69985」が金額として送金されてしまった。さらにネットバンキングにも誘導され、「返金コード」として番号を打ち込み、送金させられた。最終的にペイペイで25万円、ネットバンキングで980万円、計約1000万円をだまし取られた。商品も架空だった。

詐欺グループと女性とのLINEのやりとり(一部、警視庁が画像処理)

◆「カタコトの男と電話でやり取り」

 警視庁によると、このような手口は昨年から確認され始め、昨年は40件だったが、今年は10月までに138件、被害総額は約1億5000万円に上った。  詐欺グループからのメールやLINEの文面は、不自然な日本語も見受けられ、翻訳サイトを使ったとみられるケースも。被害者の一部は「電話でカタコトの男3人とやりとりした」と話しており、警視庁は外国人グループが関与している可能性もあるとみて捜査している。(昆野夏子) 

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