鳥インフルエンザウイルスを動物に感染させる実験(イメージ)

 米国の乳牛などに広がる鳥インフルエンザウイルス(H5N1)に感染した人から、ウイルスを採取して性質を調べたところ、イタチの仲間のフェレットやマウスで高い致死率を示し、フェレットでは飛沫感染が確認されたと東京大などのチームが29日、英科学誌ネイチャーに発表した。人では結膜炎などの軽症例が報告されている。  チームの河岡義裕・東京大特任教授(ウイルス学)は「ウイルスが、人でも重症化しやすく変異する可能性もある」と話した。  結膜炎を発症し回復した酪農家のウイルスを使用。フェレット8匹に感染させると、5日以内に全て死に、全身の臓器からウイルスが検出された。マウスでも同様に、非常に高い致死率だった。  さらに、隣同士のおりで飼育するフェレットでは17~33%の割合で飛沫感染し、感染したフェレットは全て死んだ。  チームによるとウイルスは、培養した人の肺の細胞で増殖しやすい。米疾病対策センターによると感染者は、ほとんどが牛や鶏と接触した人。人から人へ広がるような状況は起きていないという。


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