◆次女4歳、夫の姉41歳、夫の父73歳、夫の母68歳が相次ぎ亡くなる
捜査1課は、次女と姉を殺害したとされる手口と同様に、父親にエチレングリコールを飲ませたとみて調べる。 捜査関係者によると、父勇さん=当時(73)=にエチレングリコールを何らかの方法で飲ませ、2018年6月5日、台東区内の病院で殺害した疑いが持たれている。勇さんは2017年3月から入退院を繰り返していた。同課は病院が保管していた検査記録なども調べ、両被告が殺害した疑いがあると特定した。 両被告は、昨年3月に次女美輝(よしき)ちゃん=同(4)=にエチレングリコールなどを飲ませて殺害したとして、今年2月に殺人容疑で逮捕された。3月には、2018年4月ごろに姉美奈子さん=同(41)=も同様の手口で殺害したとして、同容疑で再逮捕。東京地検は鑑定留置して調べた結果、刑事責任能力があると判断し、9月に美奈子さんに対する殺人罪で起訴した。美輝ちゃんへの容疑でも捜査を続けている。 健一被告の母も2018年1月に68歳で死亡しており、同課が経緯を調べている。◆「健一ばかりかわいがる」と言われた父勇さん
細谷健一被告は、会社経営者の父勇さんから後継者として期待をされていたが、関係者によると、2009年に志保被告と結婚した頃から、親子関係が悪化していったとみられる。 勇さんは東京・浅草で革製品の加工販売会社を営み、末っ子で長男の健一被告に愛情を注いだ。家族の間で「健一ばかりかわいがる」と言われるほどだった。 家族ぐるみで付き合いのあった男性(83)は「日帰りスキーに高校生くらいになった息子(健一被告)も連れて来た。親子仲は良かった」と語る。 勇さんらの反対を押し切り、両被告が結婚したころから関係が悪化した。衝突が重なった時期には「勘当状態だった」という。 両被告の間に子どもが生まれた際、勇さんは「やはり後継ぎにしたい」と考え、知人の力を借りて関係を修復したこともあった。2012年に新たに始めたホテルの運営を健一被告に任せたものの、金銭管理の面などから再び仲たがいした。 ホテルの増築を巡り、2018年4月中旬、勇さんは入院先の病院内で建設会社と契約を結んだ。その場に健一被告も同席していたという。1カ月余たってから、勇さんが死亡し、健一被告が会社を継いだ。(鈴鹿雄大、米田怜央) 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。