前川彰司さんの再審開始を認めた名古屋高裁金沢支部決定を受け、名古屋高検金沢支部前で異議申し立てを断念するよう訴える支援者=23日午前、金沢市

 13年前に再審開始決定を出した同じ裁判所の前で、再び歓声が湧き起こった。名古屋高裁金沢支部が再審開始を認める決定をした23日、前川彰司さん(59)は裁判所前で決定書を右手で高く掲げると、支援者と固く抱き合った。「一つの区切り。まだ闘いは続く」と表情を緩めなかった。

 裁判所がある金沢市ではこの日、朝から小雨が断続的に降った。支援者ら約40人が集まり「無実の人は無罪だ」などと声を上げた。決定書交付前、裁判所前の集会で「ふたを開けてみないと分からない」と語っていた前川さん。弁護団や支援者らとともに「誠意を持って謝罪せよ」などと書かれた横断幕を掲げ、裁判所に入った。

 裁判所内で決定書を受け取った前川さんは両手でガッツポーズし「開始」とつぶやいた。弁護士が掲げた「再審開始」の紙を見た支援者は「良かった」と歓喜し、拍手と万歳三唱が湧き起こった。決定書を高く掲げて出てきた前川さんに、「おめでとう」との声がかけられ、前川さんは今後の援助継続を呼びかけた。

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