香川県で生育したヒノキのブランド化に向けて、産官学連携の組織が発足した。県産は雨量の少ない厳しい環境が育んだ、きれいな木目が特長。成熟した木の伐採期を迎え、関係者は良さを生かした製品への活用に期待を寄せる。産地としては後発のため、まずは県内外での認知度向上を目指す。(共同通信=広川隆秀)
県と農協、企業、大学の関係者で8月、「香川ヒノキを応援する会」を発足させた。事務局の県森林組合連合会によると、県内では植林の種類を1970年代にマツからヒノキへと転換。数十年経過し、伐採に適した時期の木が増えたのが契機となった。
香川は降水量が少なく、木がゆっくりと時間をかけて大きくなる。年輪の幅が狭く、ゆがみも少なくなり、美しい木目ができあがるという。
加えて香りの強さも売りだ。九州大と県内住宅メーカーは芳香成分に関する共同研究を実施。香川ヒノキを壁に使った部屋では使っていない部屋に比べて、被験者が計算問題を解く際の集中力が高まったり、休憩時によりリラックスできたりするデータが得られた。
県森林・林業政策課によると、県内の人工林に占めるヒノキの割合は3月末時点で63.2%に上る。森林組合連合会の五所野尾恭一会長(78)は「チャンスが回ってきた」と話す。
応援する会は県民へのアピールを狙い、ヒノキが育つ森林での見学会を予定。建材のほか、勉強机の天板のような活用法が考えられるとして、五所野尾会長は「良さを知ってもらえれば、新しい使い方のアイデアも生まれてくる」と語った。
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