19日午前5時45分ごろ、東京都千代田区永田町の自民党本部の正門前で、ワンボックスカーで乗り付けた男が、車を降りて火炎瓶を党本部に向け5回ほど投げた。その後、男は車に乗って逃走。近くの首相官邸前の車両侵入阻止柵に突っ込み、警備中の警察官に向けて発煙筒を投げた。警視庁は公務執行妨害の疑いで男を現行犯逮捕した。党本部の門と警備車両の一部が焼けたが、けが人はいない。

首相官邸(奥)付近のバリケードに突っ込んだと見られる車両(中央)=19日午前(河口貞史撮影)

◆逮捕の男は黙秘

 警視庁公安部によると、男は埼玉県川口市、職業不詳の臼田敦伸容疑者(49)。逮捕容疑では、柵に突っ込んだ後、発煙筒を警察官に投げ、警備を妨害したとされる。容疑について黙秘しているという。公安部は動機や背後関係を調べる。  車内からは複数のポリタンクと火炎瓶が見つかった。火炎瓶は手製のものとみられ、ガラス瓶の中の液体に布が浸され、側面に着火剤が巻き付けられていた。臼田容疑者は警察官に発煙筒を投げ付けた後、車内の発火物に火を付けたとみられる。警視庁は衆院選期間中、情報収集など警戒を強めるとした。 

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