静岡県警は17日、1966年のみそ製造会社専務一家4人殺害事件で袴田巌さん(88)の無罪が確定したことを受け、津田隆好本部長が被害者遺族に、事件が未解決であることを直接謝罪したと明らかにした。袴田さん本人への謝罪については「検討中」としている。

事件は66年6月に静岡県清水市(現静岡市清水区)で発生。住宅が全焼し、一家4人の他殺体が見つかった。

県警によると、津田本部長は今月11日夜、県警本部で専務の孫にあたる男性と対面し、「長きにわたりご心労をおかけしていること、事件の真相を解明することができなかったことについて申し訳ない」と伝えた。男性からは「無罪確定で、親族に対する根拠のない誹謗(ひぼう)中傷がさらに増えるのでは」と心配する申し出があったという。

事件では袴田さんが逮捕され、死刑が確定。昨年10月に再審公判が始まり、静岡地裁が先月26日に無罪判決を言い渡した。静岡地検が今月9日に上訴権(控訴する権利)を放棄する手続きを取り判決が確定した。〔共同〕

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