名古屋市東区の県道交差点で1年半前に起きた3人死傷の交通事故で、自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死傷)と犯人隠避教唆などの罪に問われた工員の男(20)の裁判員裁判の初公判が17日、名古屋地裁であった。男は起訴内容を概ね認めた。
検察側の冒頭陳述などによると、男は2023年5月14日、同市中区のクラブなどで飲酒後、中学時代の同級生だった少年少女4人を乗せて乗用車を運転。道中で付近にパトカーがいるのに気づき、飲酒運転の発覚を恐れて側道に入った上で、速度を上げて走行したと指摘した。男は当時19歳だった。
男は「何キロ出ていたかわからなかった。しかし、スピードはかなり出ていたとわかっていた」と話した。弁護人は「早朝で車も少なく、信号もないことから異常なまでのスピードを出していたとは言い切れない」と訴えた。
起訴状によると、男は事故当日に酒気帯びの状態で車を運転。最高速度が時速40キロに指定されている道路を、時速106~111キロという制御不能な高速度で走行し、車を橋の欄干に衝突させ、乗車中の少女(19)を死亡させて少年2人に重傷を負わせるなどしたとされる。また、同乗の少年に対し身代わり犯を依頼し、警察に申し立てさせたとされる。
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〈おことわり〉改正少年法で、18、19歳の「特定少年」が起訴された場合は実名報道が可能になりました。今回の事件は、事件の内容と少年法の理念を総合的に考慮し、匿名で報じます。(渡辺杏果)
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