「アフィリエイト」と呼ばれるネット広告ビジネスに関するコンサルティング契約を結ぶ際、必要事項が記されていない書面を客と交わしたなどとして、大阪府警は16日、大阪市北区のウェブ企画会社「grow」の代表取締役、橋本龍弥容疑者(25)=大阪市北区=ら9人を特定商取引法違反(不実の告知、不備書面の交付)の疑いで逮捕し、発表した。橋本容疑者は否認しているという。

 生活経済課によると、アフィリエイトは、自身のウェブサイトなどに企業の商品やサービスの宣伝を書いてリンクを張り、実際に閲覧者の購入行動に結びつけば報酬が得られるという広告ビジネス。同社は「アフィリエイトはもうかる。月額1万円でノウハウを伝える」などとうたい、SNSなどを介して集客していたという。

 逮捕容疑は昨年5~12月、客の20~40代の男女10人に対してノウハウ提供のコンサル契約を結ぶ際、クーリングオフに関する項目を記載していない契約書を交わしたり、「契約は解除できない」などと虚偽の内容を伝えたりしたというもの。

 10人は契約時に高額なプランを持ちかけられ、それぞれ165万~330万円を支払っていたという。府警は昨夏に客らから情報提供を受けて捜査を開始。同社が昨年1月~今年2月、約500人から計約12億円を集めていたことが確認されたという。

 また、同社が契約金の回収のため、客に複数の消費者金融で借り入れをさせたり、高級腕時計をローンで購入させて換金したりしていた疑いも客側の証言などから浮上。こうした手法が記された「マニュアル」も家宅捜索で押収したという。(高井里佳子)

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