◆包括的な差別禁止法の必要性を強調
14日、スイス西部ジュネーブで、国連の女性差別撤廃委員会の委員(右)に日本の現状を訴える「DV虐待を許さない弁護士と当事者の会」メンバーら=酒井ゆり撮影
14日の会合には、日本やカナダなど計5カ国の関係者が出席。日本からは沖縄の米兵による性暴力問題や2026年度から新たに導入される離婚後の共同親権の問題点に取り組む団体など、50人以上が参加した。 「日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク(JNNC)」の共同代表、柏原恭子さんは、人権を侵害された被害者が国内で救済されなかった場合、国連に訴えられる「選択議定書」の批准、包括的な差別禁止法の必要性を強調。女性の政治参加について「女性候補者の最低割合を定めるクオータ制の導入が不可欠だ」と指摘した。◆「共同親権は母親を苦しめることに」
「DV虐待を許さない弁護士と当事者の会」の弁護士、石井真紀子さんは、離婚後も子どもについての意思決定を共同で行わなければならない新制度について「家庭裁判所は、家庭内で虐待があっても親子の面会を強制してきた。共同親権はこれまで以上に、立場が弱い母親を苦しめることになる」と指摘。DVなどがあった場合は単独親権に戻せるような対策を政府に勧告するよう求めた。 女性差別撤廃条約は、あらゆる差別の撤廃を基本理念に1979年の国連総会で採択され、日本は85年に批准し、締約国は現在、189カ国に上る。 条約に基づき設置された委員会は、政府の報告書や質疑を通じて、女性差別の撤廃に向けた各国の取り組み状況を審査する。NGOが事前に提出する意見書も参考にされ、今回は日本から40通以上が提出された。勧告に拘束力はないが、尊重することが求められている。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。