【ニューヨーク=共同】日本原水爆被害者団体協議会へのノーベル平和賞授与決定について、カナダ在住の被爆者、サーロー節子さん(92)が12日、コメントを発表した。数多くの原爆犠牲者の「無念の死」を無駄にせず、受賞を真に意義のあるものにするには「核廃絶を一刻も早く実現させるしか道はない」と訴えた。
核保有国や米国の「核の傘」に頼る母国の日本とカナダに対し、核兵器禁止条約参加を求めた。
サーローさんは13歳の時、広島の爆心地から約1.8キロの学徒動員先で被爆した。姉や4歳のおい、多くの級友らが犠牲になった。非政府組織「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」が2017年12月に平和賞を受賞した際、創設時から関わるサーローさんが授賞式で演説した。
被団協が被爆体験を語り継ぎ、反核運動の象徴的存在だった故森滝市郎さんらの尽力で被爆者援護を後押ししてきたと振り返り、平和賞の授与決定に「被爆者として心から大きな喜びを感じている」と祝意を述べた。
だが「受賞決定を生きて聞くことができなかった原爆犠牲者が数多くいる」と指摘。「体が溶けるようにして一瞬のうちに命を奪われた無念の死者たちに改めて思いを巡らせている」として核廃絶の必要性を強調した。
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