ゲノム編集技術を使って人の受精卵や精子、卵子などの遺伝子を狙い通りに改変し、子を誕生させる研究や治療を取り締まる法案について、厚生労働省が早期の国会提出を目指し、調整を始めたことが12日、関係者への取材で分かった。2025年までをめどに提出する方針。
ゲノム編集は「クリスパー・キャス9」という簡単で効率的な手法が登場して利用が急速に広がった。ただゲノム編集で受精卵を改変すると望み通りの特徴を持つ子ども「デザイナーベビー」の誕生につながるとの懸念が根強い。欧州などでは罰則付きの法規制が整備されている。
法案では、受精卵、精子や卵子の他、遺伝情報を持つRNAへの改変などを規制する方針。
現在ゲノム編集で遺伝子改変した受精卵を人の子宮に戻す研究は指針で禁止し、生まれつきの病気や体外受精などの不妊治療に関する基礎研究に限って容認している。ただ違反しても罰則はなく、医療として行われた場合にも取り締まることができない。
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