国内外で人気のアニメ「ドラえもん」のドラえもん役を26年務め、愛嬌(あいきょう)のあるだみ声で親しまれた声優で俳優の大山のぶ代(おおやま・のぶよ、本名山下羨代=やました・のぶよ)さんが9月29日、老衰のため死去した。90歳。東京都出身。葬儀は親族で行った。  俳優座養成所を経て、海外作品の吹き替えを務めたのをきっかけに声優となり、「ハリスの旋風(かぜ)」「ハゼドン」などアニメ作品で活躍した。「サザエさん」では初代の磯野カツオ役を演じた。  国民的人気キャラクターとなったドラえもんは、原作者の藤子・F・不二雄さんが「ドラえもんって、こういう声だったんですね」と言うほどのはまり役に。テレビ朝日系で1979年から2005年まで務め、「ぼく、ドラえもん」のせりふを子どもたちがまねするなど幅広い世代から愛された。06年に自伝「ぼく、ドラえもんでした。」を出版し話題になった。  俳優としてもドラマや映画に出演。07年に声優などを養成する専門学校の校長に就任、後進の指導に取り組んだ。料理番組への出演も多く、料理関係の著書も多かった。タレントで夫の砂川啓介さん(17年死去)との共著「啓介・のぶ代のおもしろ酒肴」はベストセラーとなった。  直腸がんと脳梗塞を患ったほか、15年に認知症であることを公表した。野比のび太役を務めた声優の小原乃梨子さんも今年7月に亡くなったばかりだった。(写真は06年6月撮影)


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