JR九州高速船が博多港(福岡市)―韓国・釜山間を結ぶ船の浸水を隠して運航を続けた問題で、親会社のJR九州が、ガバナンス(企業統治)の機能不全や安全意識の欠如が隠蔽を招いた一因と分析していることが11日、分かった。JR九州高速船は原因究明や再発防止に向けた調査結果を踏まえ、月内に国に改善報告書を提出し、安全統括管理者らを刷新する。  JR九州高速船は今年2月に船への浸水を確認したにもかかわらず、運航を継続。状況が悪化した5月まで国土交通省に報告せず、隠蔽は8月に実施された国交省の抜き打ち監査で発覚した。  関係者によると、船長らは2月に浸水を会社に伝えたが、安全管理を担当する部長らは運航を継続。親会社のJR九州にも報告していなかった。JR九州は、問題発生時に関係機関と速やかに情報共有するルールの不徹底や安全軽視の風土が背景にあったと判断した。  一方、5月になって国へ浸水を報告した理由について船長の一人が「浸水量が急増し、対応不可能と判断した」と説明していたことも判明した。


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