京都五花街の一つ、宮川町(京都市東山区)で歌舞練場の建て替え工事が進んでいる。世界的な建築家・隈(くま)研吾さんの設計で、2025年3月に完工予定。芸妓(げいこ)や舞妓(まいこ)の踊りの公演で使うほか、文化の発信や地域貢献を目的に館内のホールや会議室を貸し出す。

 所有する学校法人東山女子学園によると、旧歌舞練場は1916(大正5)年に建てられた。芸妓や舞妓による春の公演「京おどり」や稽古の会場として使われてきた。70年に改築され、老朽化と耐震性が課題だった。2022年に工事が始まり、25年11月にこけら落とし公演を予定する。

 新歌舞練場は地上3階、地下2階建てで、延べ床面積は約5千平方メートル。伝統芸能や演芸、演劇、シンポジウムなどに使う「三ツ輪座」(483席)と、展示会や講座、研修会などの利用を想定する「花心庵」(約80平方メートル)がある。いずれも25年11月11日から貸し出す計画で、今年10月17日に希望者を対象にした説明会を開く。

 建て替えをめぐっては、歌舞練場のとなりにある小学校跡地を活用する事業案を京都市が募集した。NTT都市開発(東京)の案が選ばれ、小学校跡地にはホテル、旧歌舞練場の敷地には新歌舞練場と地域施設を建てることになった。建設費は同社が負担する。

 東山女子学園の担当者は「広く活用していただき、地域の活性化と魅力あるまちづくりにつなげたい」と話す。(北村有樹子)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。