東京・歌舞伎町の大久保公園周辺で買春客を待つ女性が増えていることを受け、警視庁は10日、新たに対策会議を開き、同公園周囲でのパトロールも実施した。  新宿署での会議には、同庁本部や新宿署の捜査員ら約70人が出席。同庁の半田正浩保安課長は「検挙と更生支援の両輪で進めていく」と強調。「心のSOSを見落とさず、一人でも多くの女性を生活保護や就労など必要な支援につなげ、更生の橋渡しをしていく」と訴えた。  パトロールには、同庁や新宿区の職員、地元町会員ら約10人が参加。客待ち行為をやめるよう呼びかけるアナウンスを流し、女性たちに声をかけて回った。

大久保公園の周囲をパトロールして回る警察官や地元町会のメンバーら=東京都新宿区で

 同課などによると、女性らはホストクラブで高額請求された売掛金(ツケ)の返済や生活困窮などの問題を抱えていることも多い。  一般社団法人「青母連(青少年を守る父母の連絡協議会)」(東京都新宿区)によると、コロナ禍が落ち着きホストクラブが再開したタイミングで街に立つ女性も急増しており「多い日には100人以上」という。女性からは、買春客との金銭トラブルになったり、暴力を受けたりしたという相談も増えている。6月には、街頭に立つ女性を刃物で脅して性的暴行を加える事件を繰り返した男が逮捕された。  青母連の田中芳秀事務局長は「(売春側の女性しか処罰されないため)買春側の男性にも罰則規定を設けるなど、売春防止法を見直すべきだ。ホストクラブやメンズコンセプトカフェなど、原因となっている産業への問題提起や対策も必要」と話している。同庁も本人の希望に応じ、福祉事務所や都女性相談支援センターなどと連携して生活支援を進めている。(小倉貞俊) 

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