袴田巌さん(88)の再審で、静岡地方裁判所は先月26日に無罪の判決を言い渡し、9日に静岡地方検察庁が控訴の権利を放棄する手続きを取ったことから、袴田さんの無罪が確定しました。

これを受けて弁護団が10日に会議を開き、袴田さんが釈放されるまで47年7か月にわたって不当に身柄を拘束されたとして、国に対しおよそ2億1700万円の刑事補償を請求する方針を確認しました。

また、弁護団は会議のあと静岡地方検察庁を訪れ、最高検察庁の畝本直美検事総長が無罪判決について「多くの問題を含む到底承服できないものだ」などとする内容の談話を発表したことについて、声明文を提出しました。

声明では「検事総長が無罪判決を受けた巌さんを犯人視するものであり、名誉毀損にもなりかねないゆゆしき問題だ」などと抗議しています。

弁護団の事務局長の小川秀世弁護士は「検事総長は無罪判決を受け入れて謝罪し、判決で指摘された証拠のねつ造について検証すべきだ」と話していました。

選挙権回復へ 衆院選には間に合う見通し

弁護団によりますと、袴田さんの選挙権の回復に向けて、静岡地方検察庁が9日、本籍地のある自治体に判決の結果を通知したということです。

袴田さんが住む浜松市によりますと本籍地のある自治体から通知が届き次第、選挙人名簿への登録を行うということで、今月27日に投開票が行われる衆議院選挙には間に合う見通しだということです。

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