警察によりますと、9日午後8時すぎ福知山市下天津の田んぼで、近くに住む68歳の男性が胸から血を流して死亡しているのを、消防署員が見つけました。
消防署員は男性が草刈りにでかけたまま帰宅しないという通報を受けて捜していたもので、男性を見つけた際、近くにオスのシカ1頭がいたということです。
男性の胸には何かが刺さったような傷があり、周囲にはシカとみられる足跡が多数残されていて、警察は草刈りをしていた男性がシカの角で刺された可能性があるとみて、詳しく調べています。
近所に住む男性「シカとの共生は難しい」
近所に住む70代の男性は「このあたりは昼間でもシカをよく見ますし、フェンスを跳び越えて田んぼに入ってきます。かわいいですが、共生するのは難しいと思います。このような被害が出て本当に残念です」と話していました。
専門家「近くで見つけたら動かないで」
動物行動学が専門の公立鳥取環境大学の小林朋道 学長は、9月から11月はシカの繁殖期とされ、オスの攻撃性が高まるので注意が必要だと指摘しています。
そのうえで、近くで見つけた場合はじっと動かずに驚かせないようにしていなくなるのを待ち、万が一向かってきた場合には、機敏に方向転換ができないため、素早く横に回り込み、距離をとることなどを挙げています。
小林学長は「飼育していたシカが人を襲う事例は聞いたことがあるが、野生のシカによる被害だとすれば、これまで聞いたことがない。各地で人里への出没が増加しており、地域全体で生息状況などを把握して、警戒していく必要があるのではないか」と話しています。
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