埼玉県所沢市で1日未明にあった強盗事件で、強盗致傷容疑などで逮捕された森田梨公哉容疑者(24)が事件後、逃走中に複数の特殊詐欺事件に関与した疑いがあることが捜査関係者への取材でわかった。県警は、森田容疑者への指示系統などについて調べている。

 県警によると、森田容疑者は所沢市の事件後に東京都小平市に行き、タクシーで東村山市へ移動。さらに1日午後にタクシーを複数回乗り換え、埼玉県内の狭山市や三郷市などを転々とした。

 捜査関係者によると、防犯カメラなどの捜査から、同容疑者がその間に、三郷市であった特殊詐欺事件に「受け子」として関与した疑いがあることが、新たに分かったという。

 森田容疑者はその後、JR大宮駅(さいたま市)から仙台市に逃走する際、強盗事件の指示役との連絡に使っていたスマートフォンをコインロッカーに入れて処分した。スマホはその後、別の男がロッカーから持っていったという。

 大宮駅から新幹線に乗り、1日深夜に仙台駅に到着。2日には北海道に移動してそのまま滞在し、7日に新潟県に到着したとみられるという。7日夕に、新潟県柏崎市で別の特殊詐欺に関与した疑いで同県警の警察官から職務質問を受け、身柄を確保された。

 移動時の支払いは現金でしていたとみられ、確保時にも多額の現金を持っていたという。

 森田容疑者は埼玉県警の調べに、「4人でガラスを割って入った」「生活がぎりぎりで、生活費が欲しくてやった」と供述。また、所沢事件前日の9月30日未明に東京都国分寺市で起きた事件への関与も示唆しているといい、「報酬を受け取る約束で所沢に行ったが、強盗を指示されて断れなかった」とも供述しているという。(浅田朋範、山田みう)

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