宮城県名取市は4月から、市の職員が身につける名札の表記を、フルネームから名字だけに改めた。来庁者から理不尽な要求をされる「カスタマーハラスメント(カスハラ)」への懸念から、個人情報保護のため踏み切った。

 同市には約1千人の職員がおり、名札は首から下げたカードケースに職員証を入れる方式。市総務課によると、職員組合から要望があり、この春が職員証の更新期でもあって、所属部署と名字だけの表記にした。

 近年話題になることが多い「カスハラ」。自治体によって対応はまちまちのようだ。

 秋田県庁はこれまで、顔写真とフルネームを入れていたが、同様にカスハラ対策として、4月から顔写真はやめ、名字に変えた。宮城県庁は原則フルネーム表記だが、本庁舎の受付職員は昨年度から名字だけの名札を認めている。一方、仙台市職員の名札は、少なくともここ30年ほど名字表記が続いている。市人事課は「経緯はよくわからない」という。(石橋英昭)

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