能登半島地震で横倒しになった石川県輪島市河井町の7階建てビル周辺の公費解体に伴う作業が7日、始まった。ビルは市中心部にあって上層階は歩道にはみ出しており、市民から「見ていると気持ちが沈む。早く解体してほしい」といった声が上がっていた。市は来年3月までに全ての作業を終える方針。

公費解体に伴う作業が始まった、能登半島地震で倒壊したビル=7日、石川県輪島市河井町で

 倒壊で隣の居酒屋「わじまんま」が下敷きになり、店主の楠健二さん(56)の妻由香利さん=当時(48)=と長女珠蘭(じゅら)さん=同(19)=が犠牲になった。楠さんが原因の究明を求め、国土交通省が先行し地盤調査をしている。  この日は同じ敷地内にあり、倒壊を免れた3階建てビルの中に作業員が入って荷物を持ち出した。7階建てビルを含めた本格的な解体は今後、実施される。  楠さんは、建築士にも依頼して原因究明を進める。東京新聞の取材に「今はやるべきことをやるだけ。泣き寝入りはしたくない」と話した。かつて家族と暮らした川崎市の京急川崎駅近くのビルで、6月に居酒屋を再開した。(上田千秋、脇阪憲) 

倒壊したビルの隣の建物で、荷物を運び出す作業員=7日、石川県輪島市河井町で



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