1966年に静岡県のみそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(88)に、静岡地裁が再審(やり直し裁判)で無罪を言い渡したことをめぐり、弁護団は7日、最高検と東京高検に控訴を断念するよう申し入れた。控訴期限は10日。
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9月の再審判決は、犯行着衣など三つの証拠を捏造(ねつぞう)と認定し、袴田さんに無罪を言い渡した。
申入書のなかで弁護団は再審公判で双方の主張・立証が尽くされたとして「審理の継続は解決までの期間を引き延ばすだけだ」と控訴しないよう指摘した。
申し入れ後に会見した弁護団の小川秀世弁護士によると、対応した高検の検察官は「証拠関係に基づき判断する。袴田さんの健康状態や年齢も検討の対象にしている」と返答したという。(金子和史)
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