地上を測位する準天頂衛星「みちびき」のイメージ(内閣府提供)
政府は、日本版GPSとも呼ばれる準天頂衛星「みちびき」を現在の4機体制から11機体制に拡張するため、2025年度から本格的な開発に着手する。26年度には7機での運用になり他国の衛星に頼らない測位が可能になるが、バックアップを担う衛星をさらに追加する。都市部や山間部ではビルや樹木に電波が遮られ、位置情報が得られないこともあり、より安定した運用を目指す。 準天頂衛星は、一日のうち8時間程度、日本のほぼ真上で軌道を描く。日本は米国のGPSの信号をみちびきで補完して位置情報を測位しているが、有事などで米国のGPS利用を制限されれば測位精度が落ち、スマートフォンやカーナビに影響して社会活動が混乱する恐れが指摘されている。 みちびきは18年から4機体制で、常に1機が日本上空を飛んでいる。24年度に1機、25年度に2機を打ち上げて7機体制にし、30年代後半に11機体制まで拡充する。一部が故障しても、残りの衛星で補って運用できるようになる。既に打ち上げた衛星が寿命を迎えるのに備え、後継機も開発する。
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