オランダの有志たちが約10年かけて集めた寄付金がもとになり、岩手県陸前高田市に、憩いの広場が誕生した。5日、開所式があり、準備してきた両国の市民は「夢のような物語が実現した」と喜んだ。この日はオランダから運ばれてきたチューリップの球根1万個の一部を植えて交流。来春には赤や白の花を咲かせる。
広場は「日蘭友好広場 Meeting of Streams(ミーティング・オブ・ストリームズ)」。2011年3月の東日本大震災で、陸前高田が大きな被害を受けたのをデン・ヘルダー市の市民が知ったのがきっかけ。チューリップの球根を贈り、さらに「広場をつくりたい」と計画し、寄付を募るなどしてきた。
場所は市内中心部の川原川公園の一角0.8ヘクタール。9月下旬には、デン・ヘルダー市の市民や、チューリップ生産者らが来日し、陸前高田市民と一緒に広場を整備してきた。
開所式には、元駐オランダ大使ら約150人が参加。有志の1人、メラニー・テーヘルベルフさん(63)は「この広場は絆と寄り添う心の象徴です。子どもたちが(広場につくった)ケンケンパを楽しむことを願っています」。両国の交流をつないできた陸前高田日蘭友好協会の高橋勇樹会長(46)は「毎年きれいな花を咲かせ、たくさんのチョウチョをよぶ。そんな憩いの場として活用していきたい」と感謝した。
この後、参加者たちはチューリップ生産者に教わりながら球根を植えた。市内の団体職員安田知世さん(23)は「長く心を寄せてくれ、うれしい。まちを担う一人として頑張っていこうという気持ちになる」と笑顔を見せた。
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