能登豪雨の影響で休止していた石川県輪島市河井町の温泉施設「輪島カブーレ」が3日、営業を再開した。能登半島地震で自宅の風呂が壊れたり断水していたりする被災者は、無料で入浴できるようになっている。早速、大勢の人が訪れ、スタッフや知人との再会を喜び合う姿があった。(上田千秋)

女湯ののれんの横に立つ高浜希衣さん=3日、石川県輪島市で

◆被災者らがくつろげる環境が復活

 「入れる?」「大丈夫やったけ? ゆっくりどうぞ」。同日午後、施設に次々と常連客らが姿を見せた。久しぶりに大きな浴槽に入った人も多く、同市鳳至町の山下じゅん子さん(70)は「温まった。ここに来れば皆でおしゃべりもできるし、本当にうれしい」と笑顔を見せた。  施設は豪雨の際、床上30センチほど浸水し、浴室や併設の食事処(どころ)は泥だらけになった。被害は大きかったが、「地域の人に一日でも早くお風呂を提供したい」との思いでスタッフが一丸となり、片付けを開始。運営する社会福祉法人「佛子園」(同県白山市)の職員やボランティアも加わり、被災者らがくつろげる環境を再び整えた。

営業を再開した輪島カブーレの浴槽=施設提供

◆能登地震でも即座に営業再開

 施設は地震の際も、発生11日後の1月12日に営業を再開している。輪島カブーレの高浜希衣さん(28)は「当時はお風呂に入れない人がたくさんいて、『ここがあって良かった』とよく言われた。今回もゆっくり温まってほしい。食事処もできるだけ早く営業したい」と話した。


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