東京、群馬、愛知の3都県にキャンパスがある東京福祉大が、前理事長・学長を巡る問題について検証した第三者委員会の報告書をホームページで公表した。運営する学校法人「茶屋四郎次郎記念学園」を含め、これまでの対応を厳しく批判し、改善を促す内容となっている。

 9月30日公表の報告書などによると、同大は、強制わいせつなどの罪で実刑判決を受けた前理事長・学長の中島恒雄氏について、「復帰を認めることはありえない」と法人と大学の運営への関与否定を宣言し、文部科学省にも報告したが、服役後の2020年11月に復帰させた。また、19年には3年間で1600人以上の留学生が所在不明になるなど多くの問題が発覚。国の経常費補助金(私学助成)が5年連続で不交付となっている。

 報告書では、学内で中島氏の復帰は「既定路線」だったとし、23年に体調悪化を理由に同氏が退任したのも「補助金不交付を免れるための見せかけ」とした。学内のガバナンス体制の不備と不適切さ、中島氏と今も連絡を取り合う者の存在も指摘し、「中島氏の影響が一切ない状態にすることが必須」として、理事会や評議員会、監査機能の改善などを対策に挙げた。

 第三者委は、文科省からは「過去の誤りを真摯に受け止めておらず改善に向けた姿勢や取り組みが十分とは認められない」と指摘され、改めて見解の見直しや今後の対応について説明を求められるなかで、今年5月に設置された。

 同大側は取材に、報告書と改善策について「厳粛に受け止めて、その方向で進める。学内組織を設けて11月には一定の報告を出す予定」と答えた。

 同大によると、今年5月時点の学生数は定員4510人に対し3703人。うち1695人が留学生という。(上野創)

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