氷河が見える展望台を訪れた観光客ら=2023年6月、スイス南部
【ジュネーブ共同】スイス科学アカデミーは1日、国内の氷河の体積が2023年10月~24年9月に2・4%減少したとの推計を発表した。冬の積雪量は例年より多かったが、記録的な夏の暑さやアフリカのサハラ砂漠から飛来したちりによって氷河の融解が進んだ。減少幅は過去最大の5・9%減だった21年10月~22年9月から2年連続で縮小した。 調査団はスイス国内にある20の氷河を訪れて計測し、1・2立方キロの氷河が消失したと推測した。消失は標高3千メートル以下の氷河で特に大きかった。国内全体では2000年に74・9立方キロあった体積が、今年末に46・4立方キロになるという。 6月に入るまでは降雪量が例年より30%も多かったが、5月中旬に6メートルまで積もっていた雪が9月に全てなくなっていた計測地点もあった。 同アカデミーは「気候変動の結果、氷河の後退は止まっていない」と指摘。氷河の消失は将来的に、かんがいや水力発電などの水源管理に大きな課題をもたらすとした。
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